日々坦々

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後藤組元組長の著書「憚(はばか)りながら」は、ただの自伝ではなかった!

Category: 創価学会   Tags: 後藤組元組長  憚りながら  
5月16日に本ブログ≪創価学会の闇!宗教の仮面を被った非宗教組織という本性が垣間見える≫で衝撃的な本として紹介した、後藤組元組長の著書「憚(はばか)りながら」がようやくアマゾンから届いた。



創価学会が裏のケガレ役をやらさせたことを暴露している、ということで楽しみにしていた本だ。
ネットで「本屋に無い」とか、「学会が買占めに走っている」などウワサが流れていたが、さもありなん、と今までの実績からすれば、やるだろうな、と思う。

やはり、というか、分かっていたことではあるが、当事者の証言は重いものがある。
さんざんダーティワークをさせときながら、みんな使い捨てにされてきた。

≪山崎や藤井(この本ではX氏としている)をパイプ役にして、俺たちヤクザを散々利用し、仕事が終わればしらんぷりだ。それで俺たちがちょっとでも、もの言おうもんなら、今度は警察権力を使って潰しにかかる。で、それがマスコミにバレそうになったら、今度は頬かむりだ。竹入さんにも、矢野さんにも、俺にした仕打ちと全く同じ事をしてるんだよ・・・≫(P111)

1970年から80年にかけて、創価学会は富士宮市に大本堂や墓地公園など1000億円近くかけてつくった。このとき学会はデタラメなことをしていた、として、大本堂をつくるとき(市の許可無く)勝手に市道を潰したり、農地を不正に取得したりして、道路法違反で池田大作が告発されたり、富士宮市議会で問題になっていた。「百条委員会」ができ、当時創価学会の顧問弁護士だった山崎正友を証人喚問に呼べという話や、池田大作の名誉市民を取り消せなどが出てきた。

山崎は創価学会と対立する敵対団体の瓦解工作などを計画・主導したと言われている。

後藤氏に山崎が「親分のことは池田会長に伝えてあります。池田会長も『くれぐれもよろしく』と言ってました」ということから、創価学会からの依頼であること認識し、それで地元の公明党を通じて「何とかして欲しい」という百条委員会の問題を賛成派の連中に"話"をつけたということだ。
こうして百条委員会が潰れた後は、「それは山崎とあんたが勝手なやったことであってウチ(学会)には一切関係ない」と知らんぷり、だったと怒る。

その後、創価学会へ内容証明を送ることになる。その内容は≪俺は決してあんたら(学会)に刃をむけようというんじゃない。今まで俺たちがやってきたことを、虫ケラを踏み潰すような形で抹殺するようなことはしないでいただきたい≫というものだとのこと。
その内容証明を送った3ヵ月後、地元、富士宮署に突然、「後藤組撲滅対策本部」ができた、ということだ。
片っ端から若い衆がパクられ、1年足らずの間に60人以上がブチ込まれた、とのこと。(P102)

これに頭にきたということで直接行動に出る→東京信濃町の創価学会文化会館に発砲。

これで≪慌てて、俺んところへ池田の使いのもんが飛んできて、侘びを入れてきた≫ということだ。

創価学会の本当に恐ろしい部分は、こういう警察や政治を動かし、国家国民のためではなく、自宗教のために利用するということである。ここに、この組織の本質的な性格がよく現れている。

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この章の中で後藤氏は警鐘を鳴らす。
≪創価学会、いや、「池田教」が、この日本という国家を乗っ取ろうとしていることが、見過ごせないんだよ。日蓮正宗という宗教を利用して、人集めて、会員にして、その学会員から莫大なカネを上納させて、・・・。公明党を作って政治に入り込んだり、創価大作って、"優秀な人材"を官僚にしたり、法曹界を牛耳るために人を送り込んだりしちゃいかんだろう。外務省には、池田にノーベル賞を取らせるためだけに働く、学会員があるらしいじゃないか。法務省にも、池田を守るための組織ってものがあるんだろう。・・・どんな宗教を信じるかは勝手だ。しかし、その宗教のために国会や官僚組織に入り込むというのは、筋が違うんじゃねえか。・・・宗教の理屈を国に持ち込む、さらにそれを牛耳ろうとするのは少なくとも自由主義国じゃ許されることじゃねえだろ。・・・≫

まさにこのブログで指摘してきたことと同じことを言っている。

この本の前半部分は、後藤氏の任侠道の歩みを、その背景から具体的事案まで淡々と語っていて、辟易する箇所もあるが、後半は大変興味深い内容が多く、一気に読ませていただいた。

それを少しピックアップさせていただく。

≪極道の世界じゃ、いったん親子の盃を受けたからには、その親分に一生忠誠を尽くすというのが最低限の掟だ。ヤクザは政治家みたいに親分をコロコロ変えられないんだよ。・・・議員の連中も、自分が選んだ親分の悪口を言うぐらいなら、自分が自民党を辞めるか、議員を辞めるかしたらいいだけだ。≫

小泉元首相に、別れた夫人に引き取られた三男がいて「お父さんに会いたい」と涙して電話してきたのに、小泉のほうは「血は繋がってるけど、親子関係はない」と突き放したことについて、
≪自分の血を分けた子供でも切り捨てるような男に、そもそも国民の「痛み」なんか分かるわけがないわな。≫(P215)

項目名が面白い
≪アメリカに舎弟扱いされる日本≫(P217)
オバマと最初に会ったのが日本の首相だ、とはしゃいでいた麻生前総理にたいして
≪あれは「会った」じゃないよ。「呼びつけられた」んだ。・・・「ちょっとあんた、来なさいよ」と。「何月何日に、日帰りでいいから」って(笑)。それで麻生がスッ飛んで行ったら、オバマに「ウチの国債買ってくれよ」っていわれたんだ。お茶飲みながら(笑)「はい、わかりました・・・」って答えたら、「じゃあ、帰ってよし」って。「せっかくきてもらってお茶だけで悪いけど、・・・・」って昼飯も食わされずに帰らされたんだ。、たぶん、こんなとこだろ?≫

≪小泉だって同じだ。マスコミはブッシュと仲良しだと言ってたけど、小泉がアメリカに着いて、飛行場を降りてきたら、ブッシュは握手しながら肩をポンポンと叩いたわけだ。あのポンポンってのは、目下の者にやる仕草であって、兄弟分にはやらないよ。相手に少しでも尊敬の念を抱いていたら、絶対にやらん仕草だ≫

≪自民党には長い間(アメリカに対する)"子分根性"が染み付いているもんでな。そういう点では「対等な日米関係」を掲げて、普天間(基地移設問題)を見直すと言った鳩山さんのほうが、まだマシだった≫

鳩山首相が沖縄を訪問して、「腹案」はなく辺野古ということだった。これについては5月末を待って書こうと思っているが、後藤氏はこの本の中で次のように語っている。

≪しかし、鳩山さんも、兄貴分(アメリカ)に突っ張るなら、それ相応の「戦略」ってものを持たんといかんわな。(普天間基地の)「県外移設」ってのは、今の日本の状況を考えりゃ、誰が見たって無理な話なんだから。身内(国内)も固めていない段階で、兄貴分に居直っても勝てはせんよ。普天間の件は、どうみても鳩山さんの戦略なき突っ張りで、アメリカと掛け合いに出たはいいけど、クシャっとされたっていう感じだな。≫

その方向性はともかくとして「一つの道を極めた人」というのは、それが、芸術家であれ、スポーツ選手であれ、研究者であれ、もちろん宗教を利用していない宗教家であれ、「真理に近い人」だと昔から思ってきた。
まさにこの後藤氏についてもそれがあてはまっていると思う。知識もさることながら、見識と分析力には驚くものがあった。
そして、そういう人には必ず「人」がついてくる。生き様に共感するというよりも、その人の波動みたいな、会ったことに運命を感じるような出会いがあるのだろう。下記に登場する住職も「それは運命というもの。自然とそういう糸で結ばれていたんです」と言っている。どの世界でも「一目置かれる人」というのはいるものだ。

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後藤氏は、昨年、2009年の4月に得度したということだ。野村秋介さんが自決した日、東大病院の地下の霊安室で出会った住職で、「得度するならこの住職だ」と決めていたということだ。お坊さんにしては随分、気合の入った男だなとおもったと第一印象を語っていて、野村さんもこの住職にほれ込んでいて、朝日で自決する前の夜に「和尚、明日は正装して来いよ」と何度も念をおされ、住職も「これは何か覚悟があるな」と思ったということだ。

15年くらいの付き合いがこの住職と始まり、引退する2・3年前に後藤氏が住職に「極道を辞めたときには、ひとつのけじめとして得度させてもらうよ。その時はあんたに頼むぜ」と冗談交じりに話した。
≪俺にとっちゃ、現役時代から本当に腹を割って話しができる数少ない友達だし、何と言っても、亡くなった野村さんと一緒で、話していて「誠」を感じる人≫だとこの住職を評している。

ここからがすごい話だ。

≪それで引退から1・2ヶ月経って、得度する腹が固まって、改めて住職に頼みに行ったんだ。住職はすべてお見通しだったんだな、こんなこと言ったよ。「あんたがいずれそう言ってくるだろうと確信してましたよ」って。それで、「ちょっと失礼しますね」と言ったと思ったら、パッと着物の上を肌蹴(はだけ)て、背中を見せたんだよ。
その背中には刺青が彫ってあった。左肩には野村さんの名前、真ん中には野村さんが詠んだ「俺に是非を説くな 激しき雪が好き」という句、そして右肩には俺の名前が彫ってあった、「後藤忠政」って。驚いたよ。」≫

住職が刺青をした時期は野村秋介氏の名前と句は三回忌(10年以上前)を機に、後藤氏の名前は「得度する時はあんたに頼むぜ」と冗談交じりに話した3年ほど前だった、ということだ。
住職は「あの時、私はきっと人生をかけて、あなたを背負っていくようになると悟ったんですよ」と後藤に告げたということだ。
後藤氏は≪驚いた以上に、嬉しかった。この人は命懸けで、俺のこれからの「人生を背負ってくれるんだと思ったよ。≫と語っている。

長年の付き合いの中で生れてたエピソードだと思うが、こんなことは滅多に聞けるものではない。感動した。
(ヤクザの元親分の話に感動するとは思わなかった)

この本の最後のほうで、後藤氏が私費を投じて制作したという「BOX袴田事件 命とは」が紹介されている。今月末から全国各地で上映されるとのことだ。
この袴田事件も足利事件同様、冤罪事件と言われていて、一審で判決を下した裁判官(当初から疑問をもち、後に退官して支援することになる)の視点で映画が作られている、ということだ。
本ブログ5/20で取り上げた「冤罪FILE」の巻頭でも紹介されていた。(そこには後藤氏の「ご」の字も出てなかったが、シンクロしたか!)死刑判決をうけ、既に40年間も獄中にいて、後藤氏は≪その裁判官も40年以上悩み苦しみながら生きてきたわけだから、・・・人を裁くということの難しさや命の尊さを描ければと思ってね≫と、その動機について説明している。

創価学会のネタに引き付けられて読んだ本だが、随所に考えさせられる内容も多く、共感できない部分も同じくらいあったが、読後感が、偉人の自伝でも読んだような、不思議な本である。


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