「今回の審査会の判断に、現場の検事たちは大喜びでしょう。自分たちの失敗を、世論がカバーしてくれるんですから」 by 魚住氏(週刊朝日)

今週の週刊朝日は「普天間問題」と「暴走検察」で読み応え充分!

s-P1010730.jpg  s-P1010732.jpg(週刊朝日5/21号)

まず普天間基地移設問題では、ジャーナリストの上杉隆氏が怒りの提言。
鳩山総理の「抑止力から県外は難しい」という発言に憤り、官邸は既に崩壊し、統治能力がないと怒っている。
鳩山政権を見限った、という穏やかならざるリード文。

タイトルも≪鳩山官邸はあらかじめ崩壊していた≫

そのすぐ下には「首相も平野官房長官も即刻退場せよ」と、週刊現代か、と思わせるような文字が並ぶ。

上杉氏の怒りは本誌を読んでいただくとして、そのあとの記事≪沖縄・海兵隊に「抑止力」なし≫の中で、鳩山総理のブレーンでもある元外務省国際情報局長・孫崎亨(まごさきうける)氏の言葉が印象的だ。上杉氏が怒ったという、鳩山総理の「抑止力発言」に対して、別の見方をしている、として次のように書かれている。

≪地元の猛反発で、このまま徳之島案と辺野古沖の浅瀬桟橋案が消えれば、次の焦点は九州に移る。それでも地元が受け入れなければ、最後には、普天間の「存続」か「全面返還」かという究極の選択しか残されなくなるでしょう」
「こうなって初めて、海兵隊は本当に抑止力になっているのか、という議論がわき起こる可能性がある」
「沖縄の海兵隊の存在意義が焦点になれば、抑止力への疑問が膨らみ、米側も強気一辺倒では押せなくなるのではないでしょうか」≫

鳩山総理がそこまで考えて発言したとは考えにくいが、総理自身の「腹案」の核として「米軍の常時駐留なき安全保障」があることを考えれば、(参照:本ブログ4/16エントリー≪鳩山総理の持論「駐留なき安全保障」を今こそ前面に出す時だ≫)その延長線上での発言であり、窮地に追い込まれているようでいて演出も少しはいり、国民的議論の機会を与えるよう、「皆さんも考えてみてください」と言っているように聞こえてくる。

少しずつではあるが、最近、「鳩山総理に全て責任を押し付けているだけでいいのか。安保問題や日米関係などは、もっと国民一人ひとりの問題として考えていかなければならないのではないか」というコメントをテレビ番組でコメンテーターが言っているのを2回続けて聞いたのでも、徐々に変化しつつあるように思う。
朝のスパモニでは、三田園氏が「鳩山総理は元気が無く落ち込んでいるかと思ったら、意外と元気できびきびとしていた」というような発言をしていたが、案外とそれが真実で、鳩山首相は、自分自身を追い込みながら、同時に国民議論の高まりを期待しているのではないだろうか。

普天間基地移設問題は、あくまでも旧政権の悪政によるところが大きいのであり、それにより現政権が窮地に追い込まれている構図を、今一度、冷静になって判断してほしいものである。

また、もう一度「政権交代の意味」を見つめることも必要である。

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暴走検察の記事では≪小沢一郎「起訴相当」は〝失敗捜査〝のとばっちり≫と題し、非常にわかりやすく今までの流れがまとめられていて、読者もきっと一連の流れを整理できるいい記事だ。

リード文を引用させていただく。
≪検察審査会が民主党の小沢一郎幹事長(67)に下した判断は「起訴相当」だった。これで錦の御旗を得たかのように、新聞やテレビは「民意の重さを知れ」と声高に訴えている。しかし、本当にそうだろうか。本誌が本質を指摘しよう。これは民意の裏側に巧妙に隠された、特捜検察の「失敗捜査」の穴埋めでしかないのだ。≫

記事中にジャーナリストの魚住昭氏の語られた言葉が印象に残った。

≪「今回の審査会の判断に、現場の検事たちは大喜びでしょう。自分たちの失敗を、世論がカバーしてくれるんですから。こんなことでは、検察はまた同じ失敗を繰り返す恐れがあります」・・・「今回の事件は、特捜部が無理な捜査をした揚げ句、力尽きた。それを『市民感覚』を追い風に、もう一度暴走させる方向に検察審査会の強制起訴という制度が使われようとしている。第1エンジンの検察がダメになったから、検察審査会という第2エンジンを思い切りふかそうとしている。検察の処分が憑依的で不公正ではないかを審査する本来の目的からすると本末転倒です」≫

TKY200605300259.jpg
大鶴検事のほくそ笑む顔が浮かんでくる。

その「市民感情」を扇動し植えつけたのがマスメディアの偏向報道ではないか。

郷原氏も検察OBや新聞・テレビの一致した論調として、一連の事件は当初から、ゼネコンからの裏金疑惑の解明が重要だしてきたが、検察審査会の結果は、その4億円の出所がスッポリ抜け落ち、土地取得と代金支払いの期ズレの問題だけで「起訴相当」としたことが問題だ、と指摘している。

また郷原氏は≪「検察が小沢氏を不起訴にした段階で、なぜ不起訴なのかをしっかり説明していれば、それが報道されて、小沢氏の起訴が到底あり得ないことが正しく理解されたはずです。ところが検察は、それまでの捜査を正当化するため、微妙な判断でギリギリ不起訴になったかのような負け惜しみ的な説明をした。それが誤った認識を与えてしまうのです」≫と検察の説明不足を指摘している。

たしかに、不起訴決定の直後からマスメディアの論調は「限りなくクロに近いグレーだ」と、わめき散らし、執拗に小沢批判を繰り返してきた。
私は、検察、特に現場派の検事の意向に沿って、司法記者クラブメディアを中心としたマスメディアが、意図的に検察審査会の結論に向けたメディア戦略が行われたと見ている。「起訴相当」に至る「市民感覚」を作り出すために。

最後に、この記事をまとめた週刊朝日記者は次のように結んでいる。
≪国民感情は大事だが、イメージだけで処罰を決めるのは法治国家ではない。それは、いつか国民自身に跳ね返ってくることを肝に銘じなくてはならない。本誌・鈴木毅≫

つくづく検察も危ないが、マスメディアはもっと危ないと思えてくる。権力を監視し追及することもできるメディアは第四の権力として、その他の権力と癒着すると、こんなに恐ろしい事態を招くのかと、その使い方によっては「諸刃の剣」であることをあらためて考えさせられた。


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コメント

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官報複合体

はじめまして。週刊朝日の一連の報道から日本のマスコミと官僚は本質的に中国、ロシア並みで決してG7のそれと同質のものではないということがよくわかりました。民主党が電波オークションや政府通信委員会構想などテレビ局の利権を破壊する政策を掲げている限り、小鳩が退場しても民主党政権が転覆して自民党のように大マスコミと癒着腐敗した政権に逆戻りしない限り似たような政治状況が繰り返されるでしょう。まさに官報複合体そのものです。日本のマスコミこそ仕分けされるべきでしょう。我々国民はもう一切新聞テレビなど信用してはならないと思います。

看板  様

なぜ週刊朝日を支持できないかの理由が、今ひとつ、よく理解できません。

郷原さんの部分は、検察を愛して改革しようとしている方から、より過激に変革を希望している者にとっては少々不満が残るのかもしれませんが・・・。

ただ、この方の立場でこれだけのことを言えるということが、頭が下がることであると思いますし、週刊朝日もそうですが、もしこのような論調を出す雑誌が皆無ならば、より検察は暴走をしていたと思われます。

もし、そうなれば、内部から刷新する勢力が出てくるのかもしれませんが・・・。

isao-pw大城 勲 様

含蓄があるコメントありがとうございます。

週刊ポストの「鳩山腹案」またご意見をお聞かせください。

まさくん  様

> いつも、拝読しております。
>
> 検察裏金問題が、テレビで見れる様です。
> 16日の日曜日の14時からと言うことです。
>
> いつもは、テレビ見ないですが、こちらは、見ようと思います。
> テレビ朝日
> ザ・スクープスペシャルと言う番組らしいです。
>
> まだ、こういった情報を知らない方にオススメするチャンスだと思ってます。
>
> 見ていただける方を増やす為にコメント致しました。
>
> 毎日、勉強になります。
>
> 長々と、駄文失礼致します。


ありがとうございます。

多くの人に見て欲しいですね!

丁稚46歳  様

貴重な情報提供ありがとうございます。こういうのは専門家でないとわからないことですね!

一応ここに貼らせて頂きます。

01. 2010年5月10日 18:59:52: vAZj6ZdQho
「土地購入の期ずれ」ですが、04年10月時点で地目が「畑」なら、実務上所有権移転の本登記が出来るのは、早くて05年01月になります。
農地売買の通常の手順は ①売買契約(所有権移転仮登記)→②農地法5条の許可申請→③農業委員会の承認→④東京都知事の許可(許可指令書の交付)→⑤所有権移転の本登記
農地法の許可は、申請から許可指令書の交付まで通常2ヶ月以上を要します。(どんなに頑張ってもこれ以上早くなりません。)そして上記の都道府県知事の許可指令書を添付しないと、所有権移転の本登記は受理されません。
従って、04年10月に売買契約を結んだ農地の所有権移転登記を05年01月にするのは当たり前で、これ以前にするとしたら、その方がむしろ不適法な手続で許可を得たことが疑われます。
私、行政書士です。農地の譲渡(農地法5条の許可申請)は、多数取扱っています。

阿修羅掲示板・コメント欄 http://www.asyura2.com/10/senkyo86/msg/130.html

必殺技

『自分の仕事や利権を守ろうとする時、面倒な者達は、海に
沈めたり、ホテルで自殺に見せかけたり、自転車で転ばせて
頭を打たせるなどと殺してよい社会であってはいけない。』
あらゆる圧力で封殺されかかったAPA耐震偽装を、白日の下に
さらした元イーホームズ社長、藤田東吾氏の言葉です。
あの自信満々だったヒューザー小嶋社長の証人喚問に、必殺
黄金TIME家宅捜索をライブドア堀江生贄にぶつけてきた特捜
検事は大鶴ではなかったでしょうか?耐震偽装は吹っ飛び、
以降矮小化され沈静化しました。

あれから月日がたち、日本のアンタッチャブルの一つ、アパ
に一矢報いた藤田氏も、長いものに巻かれてしまったと見て
いますが。今、凛とした谷亮子は、官僚、大マスコミ、右翼
暴力団、米ネオコン安保マフィアに囲まれた民主、大阪城に
入城した真田幸村のように見えます。彼女を、初めて心から
尊敬しました。
★リンク先は、藤田社長の言説を検索してたどり着いた転載
記事です。

世論の承認?

私は週刊朝日を素直に支持できません。それは、所詮作り話
だからです。郷原さんは立場もあろうし、日本にかけがえの
ない人物の一人ですが。どの辺が不満かと言うと、西松事件
で不発だった検察が、水谷の証言に飛びついただの、審査会
は誘導された民意とか。単純に事実を並べればヤラセ審査会
だった疑惑濃厚です。まずそもそも西松事件で小沢総理就任
の歴史を変えた大罪。続いて今回は水谷に嘘の証言をさせて
そのまま小沢一郎を政治家として抹殺しようとしている。
手口こそ違えど、石井紘基議員暗殺となんら変わらない。
マスコミもそうです。週刊朝日などは言うなれば事件を事故
で済まそうとしている。マイナス100の捏造よりプラマイ0の
捏造のほうがマシと言われればそうですが、はたしてこれが
いいのかどうか。
★石川議員の取り調べにおいて、担当検事による『小沢は、
検審を使ってでも起訴する』発言。
素人が『絶対権力者』『まったく信用できない』など、何か
の台本みたいな言い回しで談合の如き全会一致の起訴相当。

普天間基地問題

普天間基地問題の本質は戦後65年にも及ぶ自民党政権の対米従属外交が沖縄への米軍基地集中と治外法権的米軍優先、基地施設区域の無期限自由使用を容認し沖縄県民の基本的人権を否定して来た事にある。日本国憲法、日米安保条約、地位協定の矛盾点、致命的欠陥を放置し沖縄県民の犠牲の上で経済的発展、歪んだ日米関係の下での利権構造維持を計って来た政官業癒着の結果である。

鳩山政権は昨年9月の政権交代後も自民党長期独裁政権で実質的な官僚統治機構を構築し国民に選ばれた政治家の権限を制約して官僚の既得権限を維持しようとする各省庁の人事刷新に切り込まず(内部で社長と呼ばれる)事務次官支配を容認した事で経験の浅い閣僚、政務三役は政治主導を掲げながら官僚の提示する誤った情報に翻弄されて実質的な主導権を失っている。

鳩山総理がここで乾坤一擲の勝負に出て対等な日米関係を前提に米軍基地施設区域の無期限自由使用に終止符を打ち、辺野古移設を使用期限付きの暫定基地と位置付け将来的な海兵隊及び陸軍グリーンベレーを含む米軍地上部隊の全面撤退と訓練施設の返還で米国と合意出来るならば最低でも県外との公約は実現可能である。

検察裏金問題が、テレビで見れます。

いつも、拝読しております。

検察裏金問題が、テレビで見れる様です。
16日の日曜日の14時からと言うことです。

いつもは、テレビ見ないですが、こちらは、見ようと思います。
テレビ朝日
ザ・スクープスペシャルと言う番組らしいです。

まだ、こういった情報を知らない方にオススメするチャンスだと思ってます。

見ていただける方を増やす為にコメント致しました。

毎日、勉強になります。

長々と、駄文失礼致します。

土地取得と代金支払いの期ズレの問題だけで「起訴相当」としたことが問題だ、と指摘している。

とありますが「阿修羅」のコメントで行政書士と思われる方が
この時期のズレの理由を明確に書かれています。
農地の譲渡(農地法5条の許可申請)の全うな手順と言うことです。
http://www.asyura2.com/10/senkyo86/msg/130.html
ココの01のコメントを参照してください。

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