この会見の中で河合弘之弁護士の発言で一瞬耳を疑った。会見が行われる1時間前に次のように自ツイートしていた。
今回の都知事選で「大局観」(物事の全体的な状況や成り行きに対する見方)に立って「自分の頭」で考える事がいかに重要かと痛感した。あの人が言うから、自分の組織がこうだではなく…、その結論が今まで一緒に活動した仲間や尊敬する人と違ったとしても…。そんな人が細川支持者には多い気がする。
— 日々坦々 (@hibi_tantan24) 2014, 2月 6
会見で河合弘之弁護士が会見で次のように言った。「大局観の無い脱原発運動が今回の分裂を招いた」と…。



まあ、予想通りの結果で表現する言葉も似てくるのかもしれないが、細川、宇都宮両陣営とも「今さら一本化はできないよ」ということだ。
この会見で、その他の河合弁護士の発言を聞いて、いろいろな事が整理されたと同時に、個人的にだが都知事選において「今まで自分が考え感じてきた事は間違いではなかった」ということを実感できた。
河合弁護士が「なぜ細川氏を推している」かに通ずることだが、同時にその発言の中に、今までの脱原発運動の問題点なども浮き彫りになった。

前置きが長くなったが、河合氏は次のように語っている。(要約&メモ)
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宇都宮・細川両陣営が回答でも上げている、今までの過程とか細かい事情とかで一本化できない理由をというのは、近くにいる人にしかわからない事で、遠くから見れば「変な事とをやっているなあ」と思われる。
なぜ脱原発を望む両陣営が一本化できないかというのは、真面目に真摯に脱原発活動してきた人には理解されない。未だに地方で地道に脱原発活動をしてきた人たちに「どうして一本化できないのか」と言われる。
脱原発派とっては千歳一隅のチャンスが天から降ってきたのに、いざ目の前にすると勝つことを忘れた闘争者のように不統一な運動を展開する人達がいる。
根本は、保守政治家の中から脱原発という人が出てきた歴史的転換点をキチンととらえるべきだという事。
大局観の無い脱原発運動が今回の分裂を招いた。
40年続いてきた脱原発運動と違うのは、保守勢力が脱原発は正しいんだといってきた「歴史転換点に今はある」ということ。
左翼や人権派は、歴史に学ぶことなく自分たちの政治行動の正当を考え優先した結果で、この場面では本当に脱原発を純粋に考えることが重要だった。
これからは、どういうアピールをするかは、最も勝ちそうな脱原発候補に投票してくれと呼びかける。
私も20年原発運動をやってきて、今でも日本全国で原発訴訟をやっている。宇都宮陣営の海渡弁護士とは、昔からの知り合いで一緒に戦っている。
彼との違いは、「脱原発は正しい」という良心的保守の人に対して、どのように歴史の中で捉えるかの見解が違うだけで、脱原発を願う事には違いはない。
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まさに河合弁護士も「大局観」(物事の全体的な状況や成り行きに対する見方・判断)が重要で、今回はその違いだということを言っていた。
この会見をライブで見ながらしたツイートしたものを、少しダブるが貼っておく。
河合弁護士:脱原発派とっては千歳一隅のチャンスが天から降ってきたのに、いざ目の前にすると勝つことを忘れた闘争者のように不統一な運動を展開する人達がいる。 重要なのは保守政治家の中から脱原発という人が出てきたという歴史的転換点にある認識。
河合弁護士:大局観の無い脱原発運動が今回の分裂を招いた。40年続いた反原発運動で、今回、保守勢力から「脱原発は正しいんだ」といってきた歴史転換点にある事がいかに重要なのか、左翼や人権派と呼ばれてきた人達は歴史に学んでない。
河合弁護士:雇用、福祉、特区、TPPなど宇都宮氏は重要課題があるというが、それと「脱原発」と同列に論じるのは間違い。中部電力が浜岡原発の再稼働の申請をしたが南海トラフで地震が起きれば貧困の格差とか福祉などと言っている場合ではなくなる。
河合弁護士:宇都宮さんは脱原発を3番目か4番目に掲げ他の課題があるというが、今の福島の現況を見れば大事故が起これば老人の福祉とか雇用・教育などと言ってられないくなるのがわかる。細川さんは脱原発を最重要課題と位置付ける。優先順位の違い。
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たぶん、宇都宮支持者も本心では分かっているだろうが、どうして脱原発の千歳一隅のチャンスに「小異を捨てて大同に就く」事ができないのだろうか。
結論的に言えば、本ブログでも散々に批判してきたが、共産党が諸悪の根源なのである。
いかに思想信条、政党、人間関係が邪魔をしているかは、昨年の衆院選、参院選を経験してきて「実体験」している身にとってはよくわかることだ。
余談だが関連として、未だに先の参院選で、私が生活の党を支持してたのに「三宅洋平に投票したような奴は信じられん、などと言っている輩もいる。しかし、その後、お会いした方が、「いま考えれば(管理人が言ってたように)私も三宅洋平に投票すればよかった」と言ってくれた方が出てきて嬉しかった。
その答えとして、ニコニコ動画の七尾記者が次のような質問をした。
≪政党にとって脱原発というのは組織強化の一環であり、党利党略が一本化の障害になったのか?≫
さに共産党を揶揄した質問である。
これに対して河合弁護士は次のように答えている。
≪原発運動は、あくまでも市民が中心となって進んできたもので、政党は後からついてきたものだ。≫
七尾氏がより突っ込んで次のように聞いた。
≪保守から脱原発の声が上がって革新に歩み寄ったが、革新から保守に歩み寄ることは無いのか?また「大江健三郎さんがなぜ表に出てないんだ」という声を聞くが、例えば小泉・大江会談はありえるのではないか?むしろ選挙期間中にやるべきでは?≫
この質問に対して再び河合弁護士が次のように答えている。
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≪小泉さんや細川さんが良心的な保守政治家として真摯に脱原発に舵をきった。小異を捨て大同に就いた。
革新側は「小泉さんは新自由主義で格差を拡大した」と批判したが、昔のことをあげつらえば、細川さんも菅さんも日本共産党も原子力の平和利用など「安全な原発」には賛成していたのではないか。
今は将来に向かってモノゴトを考えるべき時で、誤解を覚悟で言えば、「新自由主義者」でさえも脱原発をいいだしたということがスゴイことだと…、そういう大きな捉え方をすべきだと思っている。
貧困、雇用、福祉、特区、TPPなど重要な課題がいっぱいあると(宇都宮氏は)いうが、原発問題と同列に論じるのは間違いだと思っている。
中部電力が浜岡原発の再稼働の申請をしたというニュースが流れているが、仮に浜岡原発が再稼働した後に南海トラフ地震が起きて偏西風?なんかで東京が放射能に襲われたとしたら、もう、貧困だ格差だとか言っている場合ではなくなる。
若者の雇用も勿論深刻だが…。
宇都宮さんは「脱原発」を3番目か4番目に掲げているが、今の福島の現状はどうですか?
浪江町や双葉町で老人はどうなったのか、介護だ福祉だといっても事故が起きれば吹っ飛んでしまう。学校に行けなくなり学生が離散して教育どころではない。
重大事故が起これば、そういう問題などは論じられなくなる。
重要性、優先順位の違いであり、細川さんは「脱原発」を最重要課題と掲げているが、宇都宮さんは他にもっと重要なものがあるという。≫
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再び、声を大にして言うが、「同調圧力」に屈することなく、「予定調和」をぶち壊し、その場の「空気」に流されないためには、まず自分の頭でじっくり考えることが肝要である。
あの人が「ああいっているから」とか、「この人について行けば間違いない」とかに流され、自分で考えようともしなくなり、ただただ受動的に着いていく、というのでは、マスコミに洗脳された衆遇の民と同じである。
周りの人と違うことに対して「自分はこう考える」と説明できると同時に、日本人には特に難しい他と違う事への「勇気を持つこと」だと思う。
自分がこういえば、今のコミュニティからハブにされ嫌われるとか、ちょうど今のイジメの問題で、自分も一緒にイジメなければ今度は自分がやられるという恐怖により自らの考えを捨てて同調するのと同じである。
細川さんの応援演説で小泉元首相が繰り返し言っている事を、要約しつつ、くどいとは思うが貼っておく。
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日本では原子力の平和利用ということで原発が建設されて60年が経過した。
その間、米国で30年前にスリーマイル島の原発事故があり、その後、ソ連でチェルノブイリの大事故が起きたが、「あれはアメリカの出来事だ」、「ソ連の出来事」で日本は大丈夫だと言い続けてきた。
原発は安全で安価だとずっと騙され続けてきた。
311の原発事故でいろいろ調べ、オンカロにも行って、このまま原発がある日本の将来に、子供たちの未来に禍根を残すと思って、二人の老人が立ち上がった。
細川さんも私も70を過ぎて、もう、いつ死んでもいい歳だ。
どうせ死ぬんだったら、次の世代に原発の無い安全な社会を残すことをしよう、少年を大志を抱けと言ったが、老人だって大きな志をもってもいい。
「原発ゼロ」実現可能な夢であり、やればできる夢だ。
やればできる原発無しの世界
この「脱原発」の運動は原発ゼロになるまで続く。
大きな転換期に来ている時に貴重な一票を。
細川さんなら「原発ゼロ」に大胆に成し遂げられるし、自然の生態系を大事にできる。あらたな世界の模範となるような自然エネルギーを重視した社会を構築し、東京オリンピック、パラリンピックを「原発ゼロ」で成し遂げ、「原発ゼロ」を東京から世界に発信し実現することができる。
最後に日刊ゲンダイで書いていた事が現実となる可能性がある。
≪宇都宮支援の共産党は、いまや「『勝つ』ことより、政党の支持拡大が目的」と皮肉られている。
舛添勝利は、より一層の安倍暴政へのGOサインになってしまうのに、それでいいのか。≫
もしそうなったら、共産党に対する批判は日本全体に広がり、99歳の現役ジャーナリストである、むのたけじ氏が言っていたように「崩壊する」だろう。
「大局観」と同時に、「想像力」の問題だという事がわかる。
共産党を中心に細川支持者の「引きはがし」が度を強めているという。
よく「そういう過激な事をいうと、宇都宮陣営から細川さんに乗り換えようとしている人たちも引いてしまう」と書いている人たちがいるが、工作であり書かせない事が狙いであるということもあり得る事は頭に入れておいた方がいい。
細川支持者には、純粋に「原発ゼロ」を願い、今がその千歳一隅のチャンスであることを認識して、小泉は大嫌いだが目を瞑って細川支援に回っている、という方が少なからずいる。まあ、人が良い人だ。
だから、相手は過去の細川さんや小泉さんのモノを蒸し返したり、特区のことを過大に言ってくる事は「引きはがし作戦」の一つであり、頭の片隅に入れておく必要はある。
騙されてはいけない!
参院選でも衆院選でも見てきたように、共産とにとっては「脱原発」よりも党勢拡大が最優先であり、彼らは最初から対舛添候補というよりも細川・小泉両元首相批判に明け暮れていたのは事実である。
今は、宇都宮氏を当選させる事よりも、細川氏よりも得票を延ばす事に汲々としているのではないだろうか。
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