「既得権益改革」を共通点として、それぞれエジプト軍と官僚機構にパージされたモルシ大統領と小沢一郎という一つの見方

休暇も終わって帰ってくると気になるニュースばかりである。というか、休暇中も気になって気が休まるどころではなかった。

特にエジプト情勢は毎日チェックしている。

「アルルの男・ヒロシ」こと中田安彦氏が気になるツイートしていた。

モルシ大統領の失脚と民主党政権を結びつけて考えた事は無かったが、まったくその通りだと思った。

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民主的な方法で決められた大統領を拘束し、明らかにエジプト軍によるクーデターなのに、それを批判せず、逆にムスリム同胞団が過激デモを行い、暫定政権の治安部隊が鎮圧しているという、米国などの報道に追随し報じているのが日本のマスメディアである。

NHKなどは、ムスリム同胞団という過激派が、デモで暴徒化して「テロ」を仕掛けているように報じていた。

エジプト国内では情報統制され、事実が事実として報じられてないとのことで、デモ参加者が云うには特定のメディアしか中立ではないと

正しく伝えている中立のテレビ局はアルジャジーラ、アクサ、ヤルムーク、ハラール25だけです。これらのテレビ局はカタール、パレスチナ、ヨルダンから放送しているのでエジプトから圧力がありません。
ほかのエジプトにある7つくらいのチャンネルはすべてシーシー側。暫定政府よりです。流れる映像も政府に都合よくされています。≫ 

参照

小沢さんが統治機構改革を掲げ、官僚が持つ膨大な利権を改革しようとしたと同じようにムスリム同胞団のモルシ氏も、軍が持つ膨大な利権に手を突っ込もうとしていたという情報もある。

ムハンマド・フセイン・タンターウィー軍最高評議会議長を解任するなどし軍の権益を奪おうとしたことで軍の反発を招いたほか、アブドルメギド・マハムード検事総長の解任や、反ムルシー政権の裁判官を退任させるための定年引下げを試み、司法権からの反発を受けた…

参照


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フィフィさんが言うように、これは完全に暫定政権による無差別虐殺である。

資料ブログなどにも貼っていた映像などを見ると、ムスリム同胞団などのデモ隊への発砲は、黒服の治安部隊とともに普段着で石を投げている人たちを見かけた。






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最初は反モルシ派の市民だと思っていたが、どうやら警察に雇われた人たちだったようだ。

エジプト軍と警察や治安部隊などの関係などを直接現地に行って、デモ参加者に聞いたという貴重な情報があるので、その辺を抜粋しておく。

■軍人や警察や治安部隊の違い

軍人…暫定政府エジプト国防大臣兼国軍総司令官シーシー氏が率いる存在。

警察…暫定政府イブラヒム内務大臣が率いる存在。デモ隊への攻撃にも参加。しかし裏でコントロールしているのはシーシー氏

治安部隊…暫定政府が雇っているエジプト人。デモ隊に攻撃するのがメイン。警察やバルタゲイヤの一部も混ざっている。

バルタゲイヤ…警察に雇われている存在。全員が私服で行動し、デモ隊に攻撃や嫌がらせをするのがメイン。前科のある人をかき集めて、犯罪歴をデータ上から消すかわりにバルタゲイヤとして働かせる。前科がなくてもお金を渡して雇われる者も多数いる。

外人部隊…アラブ首長国連邦が南米コロンビア等の国から雇った外人部隊をエジプト暫定政府に提供。おもにヘリコプターからの攻撃やスナイパーとして活動。≫


また、それぞれが役割分担があるようで、次のように語っている。

≪撃たれた人を助けに行くと、そこをバルタゲイヤと警察が攻撃してきます。まずは石を投げてきて、次に催涙ガスをまいてから散弾銃を撃ちます。そして最後はスナイパーです。私のまわりでは20人くらい頭を撃たれて死にました。
バルタゲイヤと警察は殺さない暴力だけします。バルタゲイヤはお金をもらって働いてるだけでどっちの味方でもない(思想がない)から、スナイパーが撃つ段階になったらすぐに逃げるんです。スナイパーに撃たれた人を助けに行くとまたスナイパーに撃たれます。≫

参照


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エジプト情勢について、まだモルシ支持派のデモに対しての前提政権による「無差別虐殺」が始まる前の、中東政治研究者の池内恵氏の論説とのことだが、ブログ記事より抜粋してみる。

(『風船子、迷想記』より)

≪■「中央公論」(2013年9月号)掲載の「エジプトの『革命』と『反革命』」から。

・クーデター後の暫定政権で、最高権力者はマンスール暫定大統領ではなく、筆頭副首相のスィースィー国防相である。

・「軍が出てくれば安定する」という日本の「自称エジプト通」の議論は、根拠がない。軍の介入は対立をさらに激化させ、紛争解決の制度を崩壊させ、混乱を深める要因となっている。

エジプト軍は1952年のクーデターで、国王を追放し、地位と膨大な資産を手に入れ、「支配階級」になった。しかし、これは「統治者」としての責任を負い、能力を蓄積してきたわけではない。将校たちは高い地位と経済的特権を享受して自足し「支配すれども統治せず」というのが軍の政治的立場。特権が損なわれる事態になると政治に介入するが、全面的に統治の責任を負うことは避けて背後に引くという特有の習性がある。

■「公研」(2013年8月号)より

・ムスリム同胞団が政治的な新興勢力として台頭し、既得権益を脅かされた軍と警察が再結集し、リベラル派が隠れ蓑として利用され、新興勢力が排除されたとの構図。その際に、一時的に欧米向けイデオロギーとして世俗主義が打ち出された。≫




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では、エジプト軍はどんな既得権益を持っていたのか。


一説には、エジプトでは軍が保有する官民合同企業が、エジプトGDPの15~20%を占めているとうものもある。(参照

中には4割という話もある。

≪エジプト軍は多くの関連企業を抱え、経済規模は国内総生産(GDP)の4割を占めるともいわれる。モルシー政権がさらに力をつければ、いずれ利権に切り込まれるとの警戒感があったことは想像に難くない。≫

参照

軍事ジャーナリスト田岡俊次などは、エジプト軍は産軍複合体としてGDPの30%と書いている。(参照

その田岡氏が米国の論理とともにエジプト軍から見た事情を解説している。

クーデターであることを認めればエジプト、特にその軍に対する援助は米国内法上停止せざるを得ず、きわめて親米的なエジプト軍は部品が来ないとほぼ行動不能となる。
また、もしムルシ大統領やその出身母体のイスラム同胞団が政権を奪回すれば、軍人の多くが反乱罪で処刑されかねず、米国は30年余育ててきたペット、エジプト軍を失うことになりかねないためだ。≫



そしてエジプト軍の装備には、米国からの武器が多くを占めているということだ。

≪戦車2497輌のうち米陸軍が現在使用中の戦車と同じ新鋭のM1A1が1087輌、やや旧式の米国製M60A2、同A3が1150輌で、計2237輌が米国製だ。攻撃ヘリコプターも米国製のAH64(アパッチ)35機、大型輸送ヘリも米国製CH47(チヌーク)19機、など米国製が主力だ。空軍は戦闘機392機中、米国製が226機(F-16A/Bが32機、F-16C/Dが165機、F4Eが29機)海軍はフリゲート艦10隻が主力で、そのうち4隻は米海軍も現在使っているO・Hペリー級(3638t)≫


その背景として次のように書いている。

≪81年成立したレーガン政権は、79年の革命で反米に回ったイランに代る「中東の憲兵」にエジプト軍に育てようとし、大規模な軍事援助団を派遣、大量の戦車、航空機、軍艦を惜しみなく供与、教官を送ってエジプト軍を訓練するとともに、多数のエジプト将校を米国の軍学校に留学させた。以来30年余にわたり米国が注ぎ込んだ軍事援助の結果、エジプト軍は上記のような米国製装備を揃える強大な親米軍に成長した。…
エジプト軍は総兵力43万8500人(うち陸軍31万人)だが、約30万人は徴兵(うちに陸軍に20万人)で、兵はおおむね一般民衆の心情を反映する。青年将校の中にも軍上層部の腐敗や、親イスラエル政策に不満を抱く者も少なくないようだ。
内務省の治安部隊は32万人以上いて、これは警察軍だけに反政府活動の抑圧が主任務で、2011年の反ムバラク・デモも弾圧をはかったが、結局役に立たなかった。≫



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具体的な企業名などをあげてエジプト軍の権益を指摘しているものがリンク切れであったので付け加えておく。

≪エジプト軍は多くの政府所有のサービス企業やメーカーを通じ民間経済に大きく関与しており、 軍需生産省の傘下にはこうした企業が少なくとも14社存在する。 軍部が運営する企業の業種は、施設管理サービスや家電、害虫駆除、配膳(はいぜん)業など さまざまだ。小型武器などを生産する一方、エクササイズ用器具や消防車を製造する会社もある。 米海軍大学院のロバート・スプリングボーグ教授によると、これらの企業が 「非常に大規模で実体が見えにくい『軍隊株式会社』を形成している」という。 軍の将校らは「新政権が民主的統制を強制することがないよう働き掛ける。 単に軍の組織を守るというだけでなく、軍の財政基盤も維持するということだ」と説明した。
エジプト軍事の専門家である米ケント州立大学(オハイオ州)のジョシュア・スターカー准教授は 「エジプト経済の3分の1が軍部の支配下にあり、軍企業からの収益は軍事費とともに国家機密だ」 と指摘する。
政府や軍が、防衛・武器製造関連企業を所有したり経営したりする例は他国にもある。 シンガポールやイスラエルでは、国家安全保障面から外国製品への依存を避け、武器製造業を 国有化している。 しかし、エジプト軍は数々の消費者向けに製品やサービスを供給している点で、これらの国とは 大きく異なる。 エル・ナスル・フォー・サービシーズ・アンド・メンテナンスは、保育や自動車修理、ホテル運営など18以上のサービスを手掛け、7750人の従業員を抱える。 エジプト軍幹部で同社統括マネジャーのアフメド・エル・バンナ氏は電話インタビューに応じ、 同社の株の75%を軍が、残りを退役将校らのグループが保有していると説明した。 ≫


参照

資料としてこれも貼っておく。

エジプトの軍は、予備役も含めて約80万人を擁し、その家族・親族を含め少なく見積もっても1000万人は、軍の利権から利益を得ていると考えられる。エジプト国民が約8000万人であることを考えると、この数は極めて多い。
1952年に自由将校団という民族主義・改革派の青年将校たちがクーデタで王制を打倒して権力を握ってから、エジプトは基本的に軍が実権を握る国家であり続けてきた。
エジプトの軍は、軍需産業だけではなく、航空産業、警備会社、旅行会社、さらにはミネラル・ウォーターなどの食料品、衣料品まで含まれる巨大な関連企業群を傘下に収めている。大規模な土地を所有して運用し、経済自由化の中で別荘やショッピング・モールなどを開発し、大きな利益を上げている。軍はエジプトの「大家」的存在である。軍の指揮命令系統においては絶対権力を握るムバーラク大統領も、軍・産複合体が最大の既得権益を握る体制の代表者に過ぎないともいえる。≫

参照


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官僚機構が日本の隅々に至るまで、網の目のようにアンテナを張り巡らし、権益があるとこ全てを抱え込むシステムになっている。

それを改革しようとした小沢一郎が狙われ、今はまだ道半ばとなっている。その辺を先日のエントリー≪官僚支配の統治機構改革がメインである「小沢改革」は今後も必要不可欠でありこの改革なくして日本の未来はない!≫に書いたので参照にされたい。

エジプト情勢を見る時には、平面的な情報では決して語ることができない、中東、イスラム、英国、米国などが絡み合い、立体的に物事を見る必要がある。

ただ、武器を持たない市民に発砲し無差別殺害をしている、暫定政府に対しては、どんな言い訳があろうが許されるものではない。それが自分たちの権益を守ろうなどとして殺害しているなど論外である。

その他に、お盆過ぎそれまで120リットルとか過小情報を流していた東電が、いきなり福島原発で高濃度汚染水が過去最高の300トンが漏れ出したと報じた。

また、新たに福島の子供たちが甲状腺がんと確定され、合計で18人となったことなど、重大なニュースが続いた。
まあ、それをNHKなどは過小報道しているので、前のエントリーで書いた。

佐藤雄平知事も「国家の非常事態という認識で対処してほしい」と国が前面に出ることを求めているが、本当にこれは「国家的規模の非常事態」であり、国家存亡の危機であって、今後、高濃度汚染水が海が流れ出していることがあれば(バレれば)、世界的規模の非常事態として海外の国々から対応を批判されることになる。


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