首相官邸前に集まった若者や子供を抱いた母親たちの声や表情に「凄まじいまでの切実さ」を感じる by 佐野眞一氏 (SAPIO)

SAPIO最新号の特集がよかった。

SAPIO (サピオ) 2012年 8/8号 [雑誌]


<タイトル>
脱原発デモだよ、全員集合

なし崩し再稼働で終わりじゃ、情けない 
脱原発デモで問われる「日本人の覚悟」

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<リード>

≪日本でこうしたデモは極めて珍しい。
規模の大きさや、これまでデモや集会に参加したことのない普通の人々が参加しているということもそうだが、ちょっと前なら野田首相が再稼働を宣言した時点で、「しょうがないな」と諦め、もう終わりにしていただろう。
 今回は、政府=お上が「こうする」と言った後に、それでも「いや、それは違うんじゃないか」と国民が声を上げていることが何よりも新鮮だ。他国なら暴動が起きる事態でも我慢し続ける、おとなしい国民性と指摘されてきた日本。それでも、原発のなし崩し再稼働に対する国民の怒りのマグマは、そうした殻を破って噴出した。
 だから、ここからが重要だ。
ノンフィクション作家の佐野眞一氏の言葉を借りれば、「今こそ考えるチャンス」であり、逆に言えば日本人は、「この機会を逃せば永遠に物事を考えない国民になり下がってしまう」窮地に立たれている。
 原発と日本について、今一度、考えようではないか。≫




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SAPIO (サピオ) 2012年 8/8号 [雑誌]


<脱原発デモだよ、全員集合!①>
「考える機会」を奪っている野田首相。むしろ再稼働派にイデオロギーを感じる

■首相官邸前に集まった人々が突きつけたのは「物を考えない国民にはならない」という切実なNOである ノンフィクション作家・佐野眞一

<「再稼働反対!」
毎週金曜日の夜、東京・永田町の首相官邸前は、人で埋めつくされている。ノンフィクション作家の佐野眞一氏は、ツイッターやフェイスブックを通じて集まった若者や子供を抱いた母親たちの声や表情に、「凄まじいまでの切実さ」を感じるという。そして、そこにこそ未来への希望があると指摘する――。>



佐野氏はこれまでのデモとの違いを次のように分析している。

≪今までの「反原発」には特定の思想や主義を掲げる人々が「頭で考えた」言葉だったが、官邸前デモに参加されている母親たちが語る脱原発は実際子を産み育てる者の「身体性」に裏打ちされているだけに、心に届くのである。≫



また、この記事の中で興味深かったのは、佐野氏が松下幸之助氏と松下村塾つながりの野田佳彦首相との比較である。

≪松下の経営哲学は「水道哲学」と呼ばれ、全国にめぐらせた水道の蛇口から出る水のように、より安価で庶民にも手の届きやすい商品をじゃぶじゃぶ流して国民生活全体の底上げを図り高度成長を実現した。≫



それからすれば経済合理性を追及する松下は再稼働を支持したかもしれないとしつつも、その体質は全く違うとしている。

松下政経塾は、松下哲学の表層だけを継承し「血の通わぬ経済合理主義だ」と断罪している。

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<脱原発デモだよ、全員集合!②>
何十年も前の生活に戻る必要はない。0か100かでなく、みんなが10ずつ我慢すればいい

■脱原発デモが「アラブの春」となるためには理論で逆風に立ち向かえる強いリーダーが必要だ。 俳優・菅原文太

<自身、被災地である宮城県出身で、震災後は積極的に支援活動を行なってきた俳優・菅原文太氏(78)。テレビ、ラジオに出演する傍ら、3年前から山梨県で農業を営む菅原氏に、原発再稼働と脱原発デモについて聞いた。>



野田首相の背後には「原子力ムラ」という底知れぬ闇が隠れていて「再稼働しないと停電になる」「産業が衰退する」と操っている。同じようにオスプレイでも基地問題でも、アメリカのいいなりに操られていて、日本の戦後は終わってなく、日本は独立国ではないという。

その背景にはマスコミの責任が大きく、小沢一郎氏が原発再稼働反対、消費増税反対を掲げて新党を立ち上げてたことに対して、ネガティブな報道をしているが、要するにマスコミも原子力ムラの一員ではないかと断罪している部分が面白い。


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<脱原発デモだよ、全員集合!③>
「サッカースタジアムにゴジラが来襲する」――それが原発というものがもつ危険度である

■野田首相は「リスク」と「デインジャー」を混同!それを許す国民を国際社会は「バカ」と見なす 内田樹・神戸女学院大学名誉教授

<原発について語る際、必ず俎上に上がるのが、「危険度」だ。福島第一原発事故では、数十万テラベクレルという膨大な放射性物質が放出され、多くの土地が汚染された。使用済み核燃料は、10万年以上保管しなくてはならに。こうした危険をどう評価するのか――それによって原発支持と原発反対が二分されている。だが、思想家内田樹氏はその思考の枠組みに疑問を投げかける。>


以下、この記事の抜粋。

≪野田首相と原発再稼働推進派の人々は、目先の銭金を失うことを怖れて、「デインジャーなどというものは存在しない(するかもしれないけれど、われわれの身にはたぶん訪れないだろう)」という楽観的希望に国運を賭けた。
これほど視野の狭い人々に、これから先の混迷を深めるはずの国際社会の舵取りを任せることに私はどうしても同意できないのである。≫



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<脱原発デモだよ、全員集合!④>
「大飯再稼働」と同じ日に「レバ刺し禁止」――どんどん飼いならされていないか?

■「原発は安全」広告がなぜ下手くそだったのかを考えると〝脱原発の流儀〟が見えてくる コラムニスト・天野祐吉

<「みんなで決めよう『原発』国民投票」の賛同者に名を連ねるコラムニストの天野祐吉氏は、雑誌「広告批評」の主宰者として、長年テレビCMや新聞広告を批評してきた。
その天野氏が、原発にまつわるメディア・広告のあり方を分析し、今後の脱原発運動に新たな可能性を提言する。>



3.11以前には広告や出版などに携わっていた人たちは、多かれ少なかれ「原発マネー」「東電マネー」「電力マネー」の年間1000億円の広告予算の恩恵を受けていた。それは、会社の規模には関わりなく、マスコミからミニコミ紙誌に至るまで、東電を中心とした電力ムラには逆らえない構造ができていた。だから、小さな媒体ほど、恩恵の割合が大きくなる。


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以前のエントリーで別冊宝島の名著『日本を脅かす! 原発の深い闇 (宝島SUGOI文庫)』を紹介した。

この中で、電力マネーのその恩恵を受けている雑誌のランキングを紹介したが再掲してみる。

●雑誌の電力系PR広告出稿ランキング (調査対象:lP以上の広告)

1位―ソトコト
2位― WiLL
3位―潮
4位―週刊新潮
5位―婦人公論
6位―プレジデント
7位―中央公論
8位― WEDGE
9位―文藝春秋
10位―Voice

『ソトコト』は、毎月「ロハスクラブ」という連載を5ページぶち抜きで掲載していた。
ロハスとは、「地球環境保護と健康な生活を最優先し、人類と地球が共存共栄できる持続可能なライフスタイルと、それを望む人たちの愛称」で、その趣旨に賛同した企業が「ロハスクラブ」という社団法人を作り、ソトコトに連載ページを出している。
東電と一体となって雑誌づくりをしていたと言ってもいいかもしれない。

2位の『 WiLL』は元週刊文春編集長の花田紀凱氏が編集長を務め、震災時に勝俣恒久・東京電力会長と〝中国ツアー〟に同行していたという人物だけあって東電の広告量も半端ではない。

この雑誌は、「小沢一郎ネガティブ記事」をよく特集しているが、これもやはり「紐付き」なのかと思える。

3位の『潮』は、創価学会系の雑誌で、毎月見開きカラーページで「明日へ手渡すもの」と題する電事連の原発PR広告を掲載していたということだ。

10位以下も貼り付けておく。

12位―週刊ポスト
13位―週刊文春
14位―週刊朝日
14位―週刊現代
16位―サンデー毎日
16位―バンプキン
18位―ニューズウィーク日本版
19位―AERA
19位―SAP10
19位―選択
22位―週刊SPA!
22位―週刊プレイボーイ
22位―女性セブン
22位―女性自身
22位ー週刊女性
22位―FRIDAY

週刊ポストは3.11以後、「原発擁護」の論調が多く、相当に「電力マネー」が行き届いていたのかと思ったが、12位ということで、「原発マネー」の割合が大きかったのか、編集長の個人的関係からなのかは不明だが、まあ会社の方針だったのだろう。その意味では同じ小学館であるSAPIOの今回の特集に関しては、保守系国際情報誌の位置付けからしても、上出来な特集企画だと思う。


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読売新聞が先週から電事連の広告を扱い出している。

元ニューズウィーク日本版編集長の竹田圭吾氏がツイートとしていた。

大飯原発の再稼働を起点として、再び「原子力ムラ」が息を吹き返し、原子力規制庁などの人事の駆け引きと合せ復活の兆しが見え隠れしている。

早速、原子力の安全規制を一元的に担う新組織「原子力規制委員会」の初代委員長に、原子力委員会の前委員長代理の田中俊一氏がほぼ決定しているようだが、田中氏に対しては東京新聞の本日の「こちら特報部」が噛み付いている。

最後にその辺を一部抜粋しておく。

■規制委員長候補・田中俊一氏の「もうひとつの顔」(東京新聞「こちら特報部」)

 福島県除染アドバイザーを務めるが、田中氏が策定に加わった同県飯舘村の復興計画について「避難より除染ありき」と疑問視する声は多い。

 田中氏の経歴をたどると、原子力ムラを牽引(けんいん)してきた軌跡が見える。現在も、そこから距離を置いたとは思えない。
 東北大原子核工学科を卒業後、旧日本原子力研究所(原研)に入所、副理事長を務めた。原研と「もんじゅ」を運営する核燃料サイクル開発機構が合併した独立行政法人・日本原子力研究開発機構(原子力機構)では顧問に就任。原子力学会会長、内閣府原子力委員長代理なども歴任した。

副理事長を務めるNPO法人「放射線安全フォーラム」(東京都港区)。同団体主催のセミナーでは「プルサーマルの必要性と安全性」などのテーマで、同氏自身も講演してきた。

<デスクメモ> この人事は、首相官邸前行動や十七万人の脱原発集会に対する政府の回答なのだろう。再稼働のため、大飯原発以外にも、約二十基が安全評価(ストレステスト)の一次評価を終え、規制委の始動を待っている。国会がこの人事を通せば、結果は火を見るより明らかだ。原子力ムラの再興は許されない。(牧)



繰り返される国民無視の政策が、これだけ国民の反発があっても、為政者どもは全く意に介さず次々と強引に推し進めている。

大飯原発3号機、4号機の再稼働、そしてオスプレイの搬入で、今までのように諦めるのではなく「NO」を言い続け、明確な意思と態度を示すためにも大きな声を上げ続けていくしかない。


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