米国の対中国戦略に変化の兆し?「大西洋から太平洋に世界の重心が移った」 by キッシンジャー

米国の世界戦略、特に対中戦略に大きな変化?

キッシンジャーが岡山で講演し、「大西洋から太平洋に世界の中心が移った」と言っている。

そのビデオを見たときに次のようにツイートした。

@hibi_tantan24 (arths2009)asuma-ken
国益をいかに国家間の利益にしていくかが問題。…世界の中心が大西洋から太平洋に移行した by キッシンジャー88歳、 ナベツネ85歳・・・元気過ぎる・・・ / “デイリーモーション - キッシンジャー元国務長官、日米が協力して中国と関わっていくことが重要” htn.to/aR579x 11月16日



1111.jpg


このビデオはフジテレビの『News Japan』で放映されたものだが、ここのテロップにははっきりと「世界の中心が大西洋から太平洋に移行したと思う」と書いている。



キッシンジャー元国務長官、日米が協力して中国と... 投稿者 samthavasa


*****人気ブログランキングへ*** にほんブログ村 政治ブログへ********


この講演に対する新聞報道では、「世界の中心」ではなく「世界の重心」と訳されていた。

キッシンジャー氏が講演 「世界の重心、太平洋に」
(共同通信2011/11/14 18:10) 
キッシンジャー元米国務長官が14日、岡山大で講演し「世界の重心は大西洋から太平洋に移ってきた」とし、環太平洋連携協定(TPP)について「アジアと米国が将来のために作っていく開かれた仕組み。各業界の損得だけの短期的なものではない」と日本の交渉参加を歓迎した。
 会場を埋めた約380人の聴衆に向けて、キッシンジャー元長官は日米関係が今後も強くなることと、グローバルな利益を追求する枠組みの重要性を一貫して強調した。
 震災からの復興に取り組む日本については「自身の国をよく見て、大きな変革をすべき時」と話した。



もう一度、よく聞いてみると、かなり聞き取りにくいが、彼は確かに「Now center of gravity of the world has switched ・・・」
と言っているように聞こえるので、この場合は「重心」と訳したほうが正しいことになる。

世界が変わったというより、アメリカの世界戦略が変わったと受け取ったほうがいいだろう。

運動量理論解析のキッシンジャーの国際収支(boraid.com)(中国語)


鳩山元首相が「東アジア共同体」構想をぶち上げたときには、特に中国は関心を示さなかったように思えたが、それに一番反応したのがアメリカだろう。
米国を抜きにして、日・中・韓に結託されたらたまったものじゃないと、鳩山政権が倒れたのも、これが原因だという人もいる。

翌年の2010年には、それまでシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの小国が域外への経済的影響力を向上させることを戦略的な目的として発効し、細々と運用していたTPPに、いきなりアメリカが入り込んで、主導権を握り、これを足がかりにアジアにおけるプレゼンス維持を図り、ひいては中国を牽制しつつも、土俵に引きずり出して最終的には取り込んでいこうとしているのかもしれない。

≪2010年11月14日、APECの最終日、先に加盟したシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランド4か国と新たに加盟を表明しているオーストラリア、ペルー、アメリカ、ベトナム、マレーシアの5か国、計9か国の政府首脳はバラク・オバマ米大統領を議長とし、「2011年のAPECまでに妥結と結論を得ることを目標にしたい」との呼びかけた。≫(Wiki



そのゴール地点が「FTAAP」だということだ。

≪中国は、TPPを警戒しながらも、日米との対立を避けるべく、「東アジア自由貿易圏(ASEAN+3)や東アジア包括的経済連携協定(ASEAN+6)、TPPなどを基に、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)を推し進め、アジア太平洋地域における経済の一体化を実現させていく」というAPECの目標への支持を表明している(胡錦涛国家主席、ハワイで行われたAPEC・CEOサミットでの講演、2011年11月12日)。その一方で、米国と日本は、貿易の面において対中依存度が高まってきており、危機後の経済再生のために、中国市場の活用が欠かせない。それ故に、中国と同様に、両国にとっても、地域統合の最終目標として、FTAAPの実現を目指していくことは、最も現実的選択であろう。≫

TPPを巡る日米中の三国志=関志雄(searchina.2011年11月16日掲載)

この記事の中で、TPPは日米のFTAだと結論づけている。

≪従来のシンガポール、ニュージーランド、ブルネイ、チリ、米国、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシアの9カ国に、新たに交渉参加を表明した日本、カナダ、メキシコが加わることにより、TPP交渉に参加する国は12カ国になる。しかし、その中で、米国と日本のGDPを合わせると、全体の約80%を占めており、それゆえに、TPPは事実上の日米FTAになると広く受け止められている(「TPP閣議決定――TPP参加で関税撤廃、事実上の『日米FTA』に」日本経済新聞、2010年11月10日付)≫



日本国内では、野田総理が決断するという11月11日を挟んで、まるでタイミングを見計らったようにジャパンハンドラーたちがゾロゾロと来日し、TPP参加圧力を近くでかけ続けていたのだろう。

参照:
本ブログ2011年11月10日エントリー≪TPP大詰めでジャパンハンドラー達が最終圧力。「原発推進」も強力に推奨!


*****にほんブログ村 政治ブログへ***人気ブログランキングへ********


そのエントリーでは入ってなかったが、往年のハンドリング名人であるキッシンジャー元国務長官も来日し、野田総理とも会談していた。

20111111atj4b.jpg


首相、キッシンジャー氏と会談(時事通信2011/11/11-23:49)
≪野田佳彦首相は11日夜、首相官邸でキッシンジャー元米国務長官と会談し、環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加方針を伝えた。キッシンジャー氏は「米国は日本の交渉参加を求めていた。喜ばしいことだ」と評価した。≫



米国と中国との覇権争い、南シナ海におけるプレゼンス争いのような様相を呈してきている。

Z20111117GZ0JPG000044001000.jpg
(ベネトンの広告で合成だが、相当にキモイ)

野田総理も得意の二枚舌を使って、今度は国際的二股外交を米国と中国の間を行き来しつつ、いずれにもいい顔をしなければならなくなる。

「太西洋から太平洋」を重視していくというのは、先に書いたようにアメリカの世界戦略と同時に、縦軸の歴史を俯瞰した時に、西欧列強国が世界を支配し、今日もなお、市場やあらゆる相場を支配し続けているが、そこからアジアの時代になるということだと思う。

また、それは自由主義、資本主義の西欧的価値観から東洋的価値観の転換点なのかもしれない。


参照記事:

TPP参加国拡大 対中圧力高まる
(産経新聞2011.11.14 20:58) 

米海兵隊、豪北部に駐留 2500人規模計画 中国牽制を強化
(産経新聞2011年11月17日(木)08:00) 

ハワイで米中が対立した理由
(中央日報日本語版2011年11月17日16時52分) 

米海兵隊豪駐留 大きな変化の始まりだ
(琉球新報2011年11月17日) 
 


最後までお読みいただきありがとうございます

参考になったという方はクリっとお願いします
人気ブログランキングへ

共感したという方は、再度クリッとお願いします
にほんブログ村 政治ブログへ

全くその通りと思えた方は拍手をお願いします

コメント

非公開コメント