「菅首相は『アメリカにとって都合のよい統治者』なので国内基盤のまったくない政治家がしぶとく延命している」内田樹(SAPIO)

菅直人が電撃訪朝を狙っているのも、まだまだ総理の椅子に座り続けるためだとわかった。

自分が任命した閣僚にまで見放され、そろそろ辞任三条件も揃ってきて「辞めろコール」が与党民主党内から沸きあがろうとしている。

まさにこれぞ「四面楚歌」を地で行くごとく境遇である。

以前も少し書いたが、ここまで踏みとどまろうとする、その精神力と原動力は、いったい、どこから出てくるのか、が大いに疑問であり興味深いところではある。

夫人の菅伸子とは、精神的な主従関係(もちろん伸子が主)にあるものの、まだ背後に誰かいるのではないかと様々詮索されている。
「脱原発」で共闘を組む孫社長ではないか、はたまた、内閣官房参与で「脱原発依存」を菅総理に提起した田坂広志氏ではないか、などなど・・・。

ただ、どうもピンとこない。

SAPIO最新号の巻頭での内田樹氏の論説を読み、少し合点がいったので次のようにツイートした。

@arths2009
≪菅直人の背後に誰がいるか?今まで論じられた、孫正義だとか内閣官房参与の田坂広志との声もあるが、最新号のSAPIOでの内田樹氏の論説で、仮説として「汚染水の海洋放出」も「浜岡原発停止」も「脱原発」も全て米国の指示で、菅総理の最大の支援者は米国である、には妙に納得させられた。7月24日≫

このツイートにはいろいろな意見が添えられた。また後で振り返る。

今日は、この内田氏の仮説を一部抜粋し書き写してみた。

thumb1111.jpg(SAPIO 8/3号)


内田氏はルックスや喋り方など、まさにテレビ向きの論客なのに、このスタンスでは上杉隆氏同様出られないのがよくわかった。

参照
大学教授から合気道の道場主に転身 内田樹(うちだ・たつる)さん

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■「汚染水放出、浜岡原発停止は米国指示」を検証しない新聞・テレビはここまで劣化している

本気で節電を呼びかけるなら、まずテレビ放送自体を止めればいい

内田樹・神戸女学院大学名誉教授

≪電力不足について、テレビはまるで市民的常識を代表するような口調で節電を呼びかけていますが、そのテレビ放送自体が莫大な電力を使用していることについては触れない。
テレビ局が制作放送にかける電力も巨大な量ですし、各家庭の受像機も大量の電気を食っている。それほど節電が緊急だと思うなら、テレビ放送そのものを抑制すればいいというアイデアは誰も出さないのですか。「クーラーの設定温度を調整して、なんとか乗り切りましょう」とか被害者面して言うんじゃなくて、各局で話し合って放送しない時間を設定すればいいじゃないですか。電車を間引き運転したり、駅のエスカレーターを止めたりすれば、ダイレクトに市民生活に影響が出ます。そのせいで生活に支障が出る人はたくさんいる。でも昼間のテレビ放送なんかチャンネルが二つ三つ減ったからと言って、それで市民生活に深刻な支障が出て困る人なんかいないでしょう?電車やエスカレーターを止めるぐらいだったら、まずテレビを止めればいい。

・・・

午後2時が消費電力のピークだというなら、午後2時前後に交代で放送を自粛すれば、ずいぶん節電になるんじゃないですか。
そんなことはすべきでないという言い分があるならテレビ自身がその理由を視聴者に開示すればいい。
だいたい、国民が今、一番知りたがっている震災や原発についてのニュースは、どの局も官邸、東京電力、原子力安全・保安院といったソースからの情報をそのまま流しているし、その分析解説に局ごとの個性や特色があるわけでもない。みんな横並びじゃないですか。だったら民放とNHKを合わせて6局も7局も要らないじゃないですか。

・・・

テレビだけではありません。新聞もひどい。

たとえば、今回の原発事故に対してアメリカがどういうかたちでコミットしてきたかのか。それはアメリカの中長期的な原子力戦略の文脈にどう位置づけられるのかといったマクロな論件について、新聞はほとんど何一つ報道していません。

4月に、福島第一原発で地下に溜まった大量の放射能汚染水を海に放出したことが問題になりました。その翌月、内閣官房参与の平田オリザさんが韓国での講演で「汚染水の廃棄はアメリカの要請だった」と発言した。そのあと、平田さんは謝罪のステートメントを出しましたが、「間違っていた、嘘でした」と言ったわけではありません。「自分はそのようなことを知る立場になかった」と言っただけです。
それは誰が聴いても「知る立場にないことをうっかり聞いてしまった」ということでしょう。ならば当然、マスコミはこの発言の真偽について裏を取るべきではないですか?

もしかすると、官邸の一部ではそういう無根拠な「流言」がささやかれていたのかも知れない。だとすれば、それはそれで重大な問題です。誰が、どういう意図で、そのような「悪意ある嘘」を流したのか、それは調べる価値がある。もし、それが「まんざら嘘でもない」なら、いよいよジャーナリストが食らいついてゆくべきネタでしょう。鳩山由紀夫前首相時代から長期にわたって官邸に詰め、様々な情報を「知る立場」にあった平田さんが漏らした発言である以上、仮に直接の要請ではなくとも、アメリカの意図を「忖度して」動いた人たちがいるとうのは十分に可能性のある仮説です。食らいつく甲斐はある。でも、新聞もテレビも平田発言の真偽の点検には何の意味も示さなかった。

「菅直人首相の英断」と言われる浜岡原発停止の問題もそうです。浜岡原発は活断層の上にあるとか、今後30年以内にマグニチュード8規模の地震が発生する確率が87%だとか理由が並べられましたが、浜岡よりももっと危険で老朽化した原発は全国にいくつもあります。それなのに、なぜ浜岡だけが有無を言わせず、ある日突然停止させられたのか?その指示に官僚たちも財界もマスメディアも一斉に「やむおえない」という態度で応じた。そんなこと、ふつうはありえないでしょう。前日まで「浜岡は安全だ」と言い張っていた人たちが「危険だと言えば危険だ」と言い分を逆転させたわけですよ。そんなシフトが自発的に起こるはずがない。強い「外圧」が働いたと考えるのがふつうでしょう。これを説明できる合理的な仮説は一つしかありません。それは「アメリカ政府からの強い要請があった」ということです。浜岡原発は、米第7艦隊司令部のある横須賀から150kmしか離れていない。万が一、浜岡で福島と同じような事故が起こったら、西太平洋だけでなく、米軍の世界戦略全体に深刻な影響が及ぶ。他はともかく浜岡だけは止めろというのはアメリカの立場からすればごく当然の要請でしょう。

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その後、菅首相が突発的に「脱原発」を言い出したこともそれと関連づけられる。アメリカは1979年のスリーマイル島事故以来、新しい原発を製造していません。だから原発製造においては日本やフランスのような「原発先進国」に技術的に大きなビハンドを負っている。でも、事故処理や廃炉技術は十分な蓄積があり、そこはアメリカの得意分野です。今後、日本が脱原発に方針転換すれば、アメリカはまず原発製造ビジネスにおける「眼の上のたんこぶ」である日仏2国のうち1国を排除することができる。

第二に、今後日本が天文学的なコストを注ぐはずの廃炉ビジネスに参入することができる。第三に、代替エネルギー技術(この分野でもアメリカは世界の最先端技術をもっています)を日本に売り込むことができる。日本が脱原発に方向転換することでアメリカはさまざまなかたちで国益を増大させることができる。そもそも日本のような地震の多い国に原発があるのは、アメリカ政府が自国製の原発プラントを売りつける市場が欲しかったからです。原発を作らせたのがアメリカの都合なら、原発をやめさせるのもアメリカの都であることに少しの矛盾もない。

菅首相が居座り続けていることだって、そういう文脈から考えれば納得がゆかないことではない。菅首相は国内的な支持基盤を持たない代わりに、アメリカには支持されています。国民的にはきわめて不人気だがアメリカの言うことを何でも聞く首相と、国民的人気はあるが国益にかかわることではアメリカに対しても譲らない首相のどちらが日本の統治者として望ましいか、言うまでもありません。

ドービル・サミットで菅首相と歓談したオバマ大統領はすでにレームダック化している首相に、9月前半の公式訪米を要請しました。一方の菅首相も、アメリカが推進するTPPへの早期参加を、その場で約束した。沖縄米軍基地の国外移転を求めた鳩山路線も否定した。菅首相は「アメリカにとって都合のよい統治者」なわけです。その無言の支持ゆえに国内基盤のまったくない政治家がしぶとく延命している。
これは十分に検証に値する仮設だと僕は思いますが、政治部の記者たちは何の興味も示さない。僕が間違っているのなら、それでいいのです。

・・・

自己点検できる、つまり自分の失敗を吟味して、そこから学習できることこそ知性の証です。中立・公正で、誤報や事実誤認は決してしてないと言い抜けるメディアは端的に反知性的なのです。日本のマスメディアの道はもう一度「知性的」とはどういうことかを熟慮するところにしかないと僕は思います。


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たしかにテレビなどは、散々節電を呼びかけ、東電の宣伝を垂れ流し東電や政府の言いなりで電力が足りないキャンペーンに加担し、しかも自分達は大量の電力を使っている。

まずテレビの放送をピーク時の午後2時から4時くらいまで交代ではなく全局止めても、国民生活には何ら支障はないはずだ。

そして、この菅総理の背後に米国がいる件は、賛否両論あるだろう。

菅降ろしの急先鋒になっている前原、長島などは米国の犬とまで言われている超米国隷従派で、ちょっと違うんじゃないか、などツイートでもいただいた。

その辺は確かにピンとくるけどフィットしない。

何がピンとくるかと言えば、これだけ四面楚歌でも強気の背景には、菅伸子の精神的な支えと共に、それだけ大きな力に裏打ちされたものがあってしかるべきだと思えたからで、それが米国だという点でピンとくる。

フィットしないのは米国派が菅降ろし派も構成している点で、これはよく板垣英憲氏がブログで書いている、米国でも派閥があると考えればいいかもしれない。(その辺は全く詳しくない)


米国が北朝鮮との六カ国協議再開に向けた動きをしている中での、中井洽元拉致問題担当相と北朝鮮の宋日昊・朝日国交正常化交渉担当大使との極秘会談も連動していると見て取れる。

この内田氏の仮説でいくと、アメリカは菅総理が「脱原発」の道筋をつけるまでは見捨てないということだ。

汚染水処理では、フランスとアメリカをうまく配分して使ったが、今後、莫大な事故処理予算に対して、より一層、この二国間での主導権争いが繰り広げられるのではないだろうか。

仮説の仮説として、その時の旗は「原発推進」のフランスに対し、アメリカは「脱原発」の旗を掲げ、今後、廃炉まで何十年と巨額の利益が補償されることになるかもしれない。

なんだか明治維新を思い起こさせるのは気のせいか?

  



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アメリカの植民地国家であり、終戦直後と同様の直接支配コントロール下にあるこの国に於いて、内田教授のおっしゃっている事は、今の普通に常識を備えている日本人ならB層よりの人でもなんとなくどころか、はっきりとわかっている事でしょう?有識者なら猶のことだと思います。勇気をもって口に出来るか出来ないか、良心に恥じることなく信念を貫いて言論人としてのミッションを果たし得るか。勿論日々坦々さんはわかっていると思います。今、たった今がその時、その踏み絵を踏まされている時なのです。テレビ大新聞が、世紀の犯罪企業東京電力に卑屈に媚びを売るのも、ネットに於いてアメリカ批判に口をつむぐのも、脅しの材料が金か死に到る暴力かの違いはあれど、ジャーナリスト・ジャーナリズムの報道に取り組む姿勢に於いて似たり寄ったりに違いない。我々国民一人一人が家畜奴隷の身に留まるか目の前の戦場に身を敢えて投じる事が出来るのか、国民一人一人の人としての矜持が問われている時なのでしょう。